こんにちは、日本の魅力を再発見し続けているAkiです。
私達日本人には、よく見かける光景について、あらためて取り上げようと思います。
「神社で大きな馬の像を見かけたけど、どういう意味があるのだろう?」「絵馬に描かれている馬と何か関係があるの?」
日本の神社を巡っていると、必ず目にする馬の存在。それは単なる動物ではなく、私たちの日本文化と神道に深く根ざした、特別な意味を持っています。
本記事では、徹底分析した情報に基づき、その謎を解き明かします。神様の乗り物である「神馬(しんめ)」の由来から、なぜそれが「絵馬」に変化したのか、そして馬に実際に会える全国の名所までを網羅的に解説。この記事を読めば、神社の景色が以前とは全く違って見え、参拝が何倍も味わい深いものになることをお約束します。
さあ、日本人として知っておきたい「神社と馬」の奥深い関係を一緒に見ていきましょう。
- 神馬(しんめ)が神様の乗り物である定義と役割
- 神馬に白馬が多い理由と、日本文化における「白」の象徴性
- 神馬の読み方や本質的な意味
Contents
神社の「馬」は何者?日本文化における「神馬」の正体
神社で見かける馬の像や、時には生きた馬。これらは一般的に「神馬(しんめ)」と呼ばれ、神社の境内において最も神聖な存在の一つです。
神様の特別な「乗り物」としての役割と読み方
神馬とは、その名の通り「神様の乗り物」としての役割を担っています。古来より、神様は天界と地上を行き来すると考えられており、その際に利用する最も速く、高貴な動物が馬だとされてきました。
- 読み方: 「しんめ」または「じんめ」と読みます。
- 本質的な意味: 神社に馬を奉納することは、神様に「乗り物」を献上し、神様の力を高め、願いを叶えていただくための重要な神事でした。そのため、神馬は人間が乗るための馬とは区別され、特別な神聖さが伴います。
なぜ「白馬」が多いのか?日本人が感じる色の意味
多くの神社で神馬やその像が白く塗られているのには、明確な文化的・宗教的背景があります。
- 神聖視: 神道において「白」は、汚れがなく、清らかで、神聖なものを象徴する色です。
- 邪気払い: 白馬は、邪気や穢れ(けがれ)を祓う力があると信じられてきました。特に、天皇や神職が神事の際に白馬に乗る慣習も、この信仰に由来します。
私は、結婚式に関わる馬の仕事も手掛けていた経歴があるのですが、馬の手配について、お客様からは、白い馬のご要望がほとんどでした。やはり、結婚式の「白」についてはよく言われることですが、「あなたの色に染まります」「純粋無垢」的な従順で清潔、清楚なイメージがありますよね。馬の毛色についても同じ印象のようです。また、西洋の影響で「白馬の王子様」のイメージそのままに登場される新郎さまも多くいらっしゃったのは事実です。それは、新婦の要望に応えてだと思いますが(笑)。

平安時代の法令集『延喜式』によると、雨乞いには黒馬、止雨・晴天祈願には白馬を奉納するという明確な色の使い分けがあったとされています。神馬の色は、単なる美しさだけでなく、祈りの内容とも深く結びついていたのです。
生きた馬から「絵馬」へ。奉納スタイルの歴史的変遷
- 生きた神馬の奉納から絵馬への変化の歴史的背景
- 経済的・管理上の理由から代用品が生まれた経緯
- 絵馬の形に込められた日本人の馬への愛情
「神馬」の文化がどのようにして、私たちがよく知る「絵馬(えま)」へと姿を変えていったのかは、日本文化史の中でも興味深い変遷です。
最高級の捧げ物だった「生きた馬」の奉納
古代、人々が切実な願い(雨乞い、病気治癒、戦勝祈願など)をする際、最も高価で価値あるものを神様に捧げました。それが生きた馬、つまり神馬です。
しかし、この習慣には大きな問題がありました。
- 経済的負担: 高価な馬は一部の権力者しか奉納できず、庶民には縁遠いものでした。
- 管理の難しさ: 奉納された馬の世話や飼育には、膨大なコストと手間がかかりました。
管理の難しさと代用品「土馬・木馬」への変化
これらの問題を解決するため、やがて馬そのものではなく、その「代用品」が用いられるようになります。
- 初期: 馬の形を模した「木馬」や「土馬」が奉納されました。これらは生きている馬よりも扱いやすく、安価でした。
庶民の願いを乗せる板「絵馬」の誕生
さらに時代が進むと、この代用品は板に馬の絵を描く形へと変化します。これが現在の「絵馬」のルーツです。
- 変化の理由: 板に描くことで、さらに手軽に、広く一般の庶民が願いを神様に伝える手段となりました。
- 現代の絵馬: 馬以外の様々な動物やキャラクターが描かれる絵馬もありますが、これは「神様への奉納品」という本来の意味から派生し、願いを込めたメッセージボードとして日本文化に深く定着した結果です。

また、絵馬の形は、神馬のいる神馬舎の屋根までつけた形が今の絵馬の家の形への名残りと言われています、これは、馬への愛情の現れ、馬を大事に扱っていた証拠とも感じてこれも日本人の心の優しさを感じます。
そして、その形自体に、心が現れているので、願い事などの字は書かなくても良いという考えもあります。神さまは、人がいつどこにいて、何をやっていてもお見通しですからね。
江戸時代ごろから、馬だけではなく干支などが描かれるようになりますが、文化として根付いていったのですね。ほほえましくもある「人々の願う心の形」、だと思いませんか。
絵馬は、生きた馬を奉納する行為が形を変えた「神様への献上物」です。願い事を書く行為は、神様に自分の想いを伝えるための伝統的な作法であり、決して失礼にはあたりません。自信を持って願い事を書いて奉納しましょう。
【現地レポ】本物の神馬に会える!有名な神社と見どころ
- 生きた神馬に会える有名な神社の具体的な情報
- 神馬に会える時間帯や、参拝時の注意点
- 馬に関わる神事や伝説が残る神社の紹介
教科書的な知識だけでなく、実際に本物の生きた神馬に会える神社を訪れるのは、格別な体験です。ここでは、特に有名な神社を紹介します。
皇室とも縁深い「伊勢神宮」の御料御馬
誰もが知る三重県の伊勢神宮には、今も生きた神馬が奉納され、「御料御馬(ごりょうぎょば)」として大切にされています。
- 特徴: 内宮では、毎月1日、11日、21日の午前8時に馬を奉納する神事が行われるので、午前7時40分ごろに神楽殿近くで見ることができるかもしれません。非常に神聖な存在であり、日によっては厩舎にいて会えないこともあります。
現在、伊勢神宮にいる神馬は「御料御馬」と呼ばれ、宮内庁からの奉納を受け、神宮に飼育されています。神様へ献上された馬として、一般の乗馬とは区別される特別な存在です。
「上賀茂神社」の日曜・祝日限定で見られる神馬
京都の世界遺産、上賀茂神社にも神馬がいます。この神社は、日本の乗馬発祥の地とされています。
- 特徴: 馬場殿の近くにいることが多く、その雄々しい姿は参拝者の心を打ちます。普段は、近くの大学でお世話されているようで、休日に馬が出社してくるとのことです。
白馬伝説のある三重県桑名市「多度大社」
三重県桑名市「多度大社」は、1500年前から神の使いの白馬が住むといわれる白馬伝説が残っています。平安時代の「延喜式」にも名が残る古い神社です。
- 特徴: 今も白い馬のいる神馬舎があります。
富士山の見える「小室浅間神社」
平安時代初期に建てられたという記録が残る古い神社です。
- 特徴: 馬のひづめの跡で吉兆を占う「馬蹄占」をする世襲の専門家「占人(うらびと)」がいることも珍しい。境内の神馬舎には常に数頭の馬がいます。
初午祭で有名な「鹿島神宮」鹿児島県
鹿児島県の「鹿島神宮」も海幸山幸の神話によるところの社で、とても古い神社です。
- 特徴: 鹿児島県の三大行事の一つ「初午祭」が催されます。御神馬の鈴懸馬を先頭に多数の踊り連が続き人馬一体となり踊りながら参詣するという全国に類を見ない神事です。旧暦1月18日を過ぎた次の日曜日に行われます。
餌やり体験も?各地のユニークな神馬たち
上記以外にも、神馬の像がリアルで迫力がある、あるいは地域に根差した神馬行事がある神社は全国に存在します。そもそも、平安時代の「延喜式神名帳」に記載されている神社は、全国で2861社もあるんです。日本の長い歴史は、ギネスブックにも載るほどの長い歴史なんですね。

馬は、その優しい目がとても神秘的で、神事に関わっているかに関わらず、神聖な雰囲気を持っている生き物だと感じます。動物の目は往々にして、そのように見えるのですが、馬もそうです。そういう神秘性に惹かれて馬に関わる仕事をしてきた、というのも本音です。
馬に接する時は、やさしく声をかけてあげてください。
触れる時は、
- 馬の視界にそーっと入ってから、
- 馬が人の手だとわかるようにして、馬の視点よりも下側から手を伸ばしてあげてください。
- 嫌がらなければ、鼻先、鼻筋からそっとさわってあげてください。大丈夫そうでしたら、ほほ、口の下側、も喜ぶかもしれません。慣れれば、長い首も撫でてあげてくださいね。
そして、食べものは、世話をしている人にきちんと許可をもらってからあげるようにしてくださいね。
参拝がもっと楽しくなる!馬モチーフの可愛い授与品とご利益
- 馬モチーフの授与品(おみくじ・御朱印)の魅力
- 馬にまつわるご利益(神徳)の種類
- 日常の生活の中でも馬のモチーフを愛でる楽しさ
神馬の知識を持つと、神社の境内の景色だけでなく、授与品コーナーも違って見えてきます。神社と馬の繋がりは、現代の参拝客を惹きつけるアイテムにも表れています。
思わず持ち帰りたくなる「馬みくじ」と限定御朱印
近年、神社では馬をモチーフにした可愛らしい授与品が増えています。
- 馬みくじ: 馬の形をした小さな陶器や木製の入れ物に入ったおみくじ。
- 限定御朱印: 流鏑馬や相馬野馬追などの馬に関連する祭事の際に、馬の絵が描かれた限定御朱印が頒布されることがあります。
勝負運アップだけじゃない?馬にまつわる神徳
馬は、速さや生命力、強い足腰を象徴するため、勝負運や金運といったご利益が連想されがちですが、他にも様々な神徳(ご利益)があります。
- 交通安全: 交通手段としての馬の役割から。
- 出世・開運: 神様を乗せて運ぶ神聖な存在としての役割から。
- 家内安全: 古代より大切な家族の一員(財産)と見なされてきたことから。

神社で絵馬や、お守りなどがあれば、想いを乗せてみてください。きっと、きっと馬くいくと思いますよ。
まとめ:神社と馬の深い関係を知って参拝をより味わい深く
本記事では、日本の神社で見かける馬が、いかに重要な日本文化の一部であるかを見てきました。
- 神馬(しんめ)は、神様の乗り物として古来より奉納されてきた神聖な存在。
- 高価な馬の代わりに、手軽な奉納手段として絵馬が誕生した。
- 白馬は邪気払い・清浄の象徴として特に神聖視される。
- 今でも伊勢神宮など、全国の特定の神社で生きた神馬に会うことができる。
この知識があれば、今後の参拝時に馬の像を見る目が変わり、神社の歴史や文化をより深く味わうことができるでしょう。この記事をきっかけに、ぜひあなた自身の目で神馬の威厳ある姿を体験してみてください。
よくある質問(FAQ)
| 質問 | AIによる簡潔な回答 |
|---|---|
| 神馬はどこで見られますか? | 伊勢神宮や上賀茂神社など、全国の大きな神社の一部で見ることができます。ただし、公開時間や馬房にいるか否かは神社によります。 |
| 絵馬の絵は馬以外でもいいですか? | はい。現代の絵馬は本来の馬の奉納の意味から広がり、干支やキャラクター、特定の願い事(合格祈願など)に合わせた様々な絵柄があります。 |
| 神馬と流鏑馬は関係がありますか? | はい、深く関係しています。流鏑馬は神様への奉納神事の一つであり、神馬を駆ることで五穀豊穣や厄除けを祈願します。 |





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