【かわいい動物】の日本画に出会えた展覧会に大満足!すきま時間に美術館へ

美術館の絵
美術館の絵

    フラ~っと、美術館へ行ってきました。
    たまたま開催中の、日展 第11回名古屋展
    期間は、2025年1月22日(水)~2月9日(日)
    場所は、名古屋市栄の愛知県美術館です。


    あまり時間がなかったのですが、1時間半ほどかけて、
    日本画、洋画、書を中心に観てきました。


    画題はさまざま。
    ここでは、特に気になった生き物、
    動物を扱った日本画をご紹介します。


    小さくても大きくても、いきものには心惹かれます。
    ほんとうに動物は、かわいいですね~


    そして、かわいいだけではなく、
    そのメッセージ性に、心が動きます。


    私の勝手な感想など、つづってみました。
    よろしければ、ご一緒にご観覧ください^^

    画像掲載に関して、日展事務局に伺いました。
    禁止マークがついていない絵に限りOKとのことでしたが、
    鑑賞した作品で、そのマークには遭遇しませんでした。
    また、作家名を示してあれば、ウェブ上に掲載可能とのお許しを得ました。


    当初、記憶のためだけに撮ったので、ゆがんだ画像になっている絵もあり、申し訳ありません。

    金箔が効果的な動物(いきもの)の日本画

    「童子変容ー森との合一に向ってー」 間瀬  静江


    絵本のように、この場面の続きが見たくなる絵でした。
    みんなで一緒に前に向って、力強く。
    何かに対して、抵抗していくつもり。
    若い力に期待^^
    横方向の線と金箔が力強さを感じます。
    この少女は、森の精かも。
    ちなみに、
    馬の場合、少女の右手が置いた所はリラックスできるツボ。
    鹿も同様だとすると、
    マッサージしながら、
    飛び出していく前の時を見計らっているようにも見えてきた。
    少女の口元からも、
    決意と労わる心が伝わってきます。


    「別れ」 田島 奈須美


    「別れ」
    4匹の兄弟だったみたい。
    見詰める子猫の瞳が沈んでいる。
    金箔の荘厳さは、この子たちへの愛情の表れに感じました。
    天から降り注ぐキラキラも。
    豪華な胡蝶蘭などの花々も。

    額装も凝っています。
    自作かも。
    かわいくてしょうがなかったんだなあ


    「漂」 熊崎 敦士


    水槽の中のファンタジー、ドラゴン?
    羽のように見えたけれど、水面が鏡面になって
    映っているんですね。
    箔で面白いことになってます。
    削ったり、流したり、いろんな形跡が見られますね^^
    ワニのゴツゴツの質感も、
    盛り上げ方がすごいことになってました~


    「乱雲図」 伊東 正次


    この明るさから、月光環ではなく、
    太陽にかかる光環、日暈(ひがさ)かと。
    これは、天気が崩れる前触れ。
    カラスたちが一斉に騒ぎ出した。
    ぞわっとしてかっこいい。
    手前の豪快なうねる枯れ木が
    似つかわしくてかっこいい。
    空に押した箔もかっこいい。
    一羽だけ止まっているカラスの眼が
    狂気を帯びていて必死に生きている臨場感がある。

    大きな動物の日本画

    「猩猩」 熱田 守


    タイトルは「猩猩」(しょうじょう)
    自分で調べましたが、
    オラウータンを指すそうです。
    また、深い赤色という意味もあるとのことです。

    中央の単管が飛び出しています。
    赤い塊が今にもこちらに向かって動き出しそうな迫力。
    目は静かに光っていて、何かを鋭く見つめています。
    直に見る質感が大事。実感した一枚です。


    「正見」 鈴木 一正
    「正見」 鈴木 一正


    小さなタンポポ
    鋭い爪の手を止める。
    大きな体、日本の熊なら、ヒグマ。
    いたずらっぽい目をこちらに向けている。
    害獣ではないよ。
    タンポポがかわいかったんだよ。

    細かな絵の具の筆で、何本も何本も、
    毛を描いて重ねている。
    足の裏の柔らかさも、伝わってきた。
    そんな繊細さが、熊の心を表しているよう。


    「曙」 桑野 むつ子


    白馬に「神聖さ」を感じる人は多い。
    青い目もそれを語っているみたい。
    馬は、時に力任せに甘えてくるけれど、
    普段の世話をする中でも、きっとそれを忘れてないし、
    その様子を感じ取る人がいるから、
    馬の歴史が長く続いているのかなと、、。
    白くて重量感のある馬体でした。


    「やわらかな峰々」 俣田 千尋


    これは何?
    タイトルを先に見ると、ますます、迷います。
    それが、この作家さんの仕掛けたところでしょうか。
    これだけたくさんの牛たちがいると、
    まさにまさに、山のような存在感に圧倒されるでしょう。

    はるか先まで続く、峰、
    牛のとがった背骨、腰骨がリアルに見えたのでしょう。
    全部で1つの大きな命、幸せでいて欲しいです。


    「雨意」  松永 敏


    雨の動向を読むリーダー
    ふと感じ取った瞬間。
    ライオンと同系色なのに、
    背景の空気が動いているのがわかる。
    絵肌は、たてがみの毛並みや岩など、
    かすれた筆ではなくて、厚塗りでもない。
    それなのに、重厚感がすごい。
    色使いは力なり。


    「うしごや」 竹ノ下 ひさえ


    手前左の牛が、つぶらな瞳でこちらを見ている。
    うっかりすると、気が付かない。
    かわいくて仕方ない~
    こういう農場に行くと、必ずいる。
    人間のほうをじっと見てくる個。
    家畜という存在、彼らは受け入れている。
    大人だなあ、と思う。
    この風景、木造の畜舎、広い牧草地、東北が思い浮かんだ。
    どこでしょう

    かわいい小さな動物(いきもの)の日本画

    「結びつき」 前川 和之


    やさしいピンクの画面全体がキラキラしていました。
    サフォーク種の黒い顔の羊さん、
    毛並みが良く表現されていました。
    目を探したくなる黒い顔だけど
    こちらをじっと凝視している気持ちは伝わってきます。
    仲間と一緒だから安心です。


    「ラビットホール」工藤 彩


    うさぎはかわいい。
    そのかわいい動きをどうにかして表現したいですよね。
    向こう側の人の動きと連動する時の
    ササっとした感じと、
    格子の光とが一緒に、ちらつくのが想像できます。

    北斎漫画みたいな動く線に、
    体がついていくような、、
    イラストにも見える表現が新鮮でした。


    「静けさの中に」 近松 妙子


    上の白の空間、
    下の白の空間に目が行くと、、
    次には、小さなカワセミを見つける。
    カワセミ一羽のおかげで、
    画面の中ぐるりと、
    木々のこもれびが鮮やかに見えてくる。

    私も自然の中でカワセミと出会ったことがあるけれど、
    雄鶏の色は本当に宝石のようにとても綺麗でした。


    「爆睡/爆水」 神谷 恒行


    一見、
    奇をてらっただけの絵だと受け取りそうになるけれど、
    実際の場面だったのだろうと思う。
    新聞紙の上でごろごろしているだけの猫、
    ねこ鍋ならぬ、猫オケでまんまる。にやり

    でも、
    ついつい字を追ってしまい、
    猫の無邪気さが際立ってくる。
    橙色の輪がのぼる朝陽のよう。
    どんな時でも、幸せな時に変えられる。


    美術展鑑賞 まとめ


    いかがでしたか?
    お好きな日本画に出会えたでしょうか。

    いつも思うのですが、
    絵に出会うということは、
    作家さんの価値観に出会え、共感できたり、できなかったり。

    人との出会いなんだなあって思います。
    色々な世界にいざなわれる絵の世界は、
    好奇心を止められません。

    偶然の出会いはどこに隠れているかわかりませんので、
    展覧会に遭遇したら、少しの時間でも
    ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

    ではまた。